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山中温泉「花紫」が新プロジェクト 地域に開かれた文化サロンへ

石川県九谷焼美術館で喫茶とギャラリーを運営する「さろんど九谷」とコラボレーション

石川県九谷焼美術館で喫茶とギャラリーを運営する「さろんど九谷」とコラボレーション

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 山中温泉にある創業120年の老舗旅館「花紫」(加賀市山中温泉東町1、TEL 0761-78-0077)がエントランスのリニューアル工事を終え、2月18日、宿泊客以外も訪れることのできるギャラリーをオープンした。

改装したエントランスには木地師で漆芸家の田中瑛子さんの作品を設置

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 フロントカウンター前に新設したギャラリーでは、「さろんど九谷&HANAMURASAKI」展を開催。石川県九谷美術館(大聖寺地方町1)内で喫茶とギャラリーを運営するNPO法人「さろんど九谷」とコラボレーションし、12人の九谷焼作家の作品を展示販売する。受付時間は9時~18時。5月8日まで。3月31日、4月1日午前中は休館。

 広報担当の山田真名美さんによると、「コロナ禍をきっかけに『これからの旅館のあり方』を突き詰めて考えた時に、日本の技や文化を継承していくことが求められている」とし、伝統を守りながらも新しい感覚を取り入れた現代の日本文化や、石川県特有の素材や技術などを紹介していくことにしたという。1月中旬から解体工事を行っていた玄関正面には、地元で木地師、漆芸家として活躍する田中瑛子さんの作品を設置。幅2メートル35センチの栃の木の一枚板には、輪島塗の技法を応用した漆塗りが施され、山中塗の特徴である木目とのコントラストを楽しめるようになっている。

 併せて館内のショップも開放し、地元の菓子店やしょうゆ店、漆器店などとコラボレーションしたオリジナル商品なども一般客が購入できるようにした。山中温泉には品質にこだわる小規模の製造業者が多く、共に商品開発をすることで相互に販売力を高める狙いがあるという。

 5月の大型連休後はロビーの改装に入り、鶴仙渓に面した館内で日本の茶文化を体験できる茶房を7月上旬にオープンする予定。

 山田さんは「地域に開いた山中温泉の文化サロンを目指し、洗練されながらも温かな居心地のいい空間を通して、『非日常』を提供していきたい」と話す。

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