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小松の老舗和菓子店がウクライナ支援菓子 乗り越える力願い発売

行松旭松堂7代の行松宏展さんと長女の妃奈子さん

行松旭松堂7代の行松宏展さんと長女の妃奈子さん

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 小松の和菓子店「行松旭松堂(ゆきまつきょくしょうどう)」(小松市京町、TEL 0761-22-3000)が3月4日、ウクライナ支援のための上生菓子「祈り」を発売した。

ウクライナ国旗の色に仕立てた上生菓子「祈り」

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 同店は1837(天保8)年創業の、小松で最も歴史ある上生菓子を専門とする和菓子店。小松は裏千家の始祖と言われる仙叟宗室の屋敷があったことから茶文化が盛んな地域で、現在も7代となる行松宏展さんが、お茶会に赴き現場で菓子を作り提供する茶席菓子を扱うなど、小松の菓子文化を受け継いできた。

 コロナ禍で2020年に留学先のベルギーから帰国した長女、妃奈子さんと共に、環境保護や動物愛護の意識が高い海外の人たちにも受け入れられるような和菓子を作ろうと、原材料から吟味し製造方法も変えるなど何カ月もかけて新商品を開発。認定機関からビーガンの認証を受け、どのような食文化の人にでも和菓子を楽しめるようにした。他にも、山中塗や九谷焼、萩焼などの作家とコラボレーションして学びを楽しめる和菓子のキットを販売するなど、和菓子から広がる文化や工芸を紹介。常連客だけではなく、若い世代が茶事文化に興味を持つきっかけになっているという。

 ウクライナ情勢の悪化を受け、妃奈子さんの発案で、ウクライナを支援する菓子を発売。ウクライナの国旗をイメージした青と黄色のきんとんの中に、桜の葉を混ぜ込んだ桜餡(あん)をふんわりと包み、地元特産の「加賀丸いも」の風味と共に楽しめる味わいにした。宏展さんは「『困難を乗り越える』という意味合いを持つ銀色の粉を散らし、平和への願いを菓子に込めた」と言い、菓子には「祈り」と名付けた。インスタグラムで販売を告知したところ、大きな反響があり注文が相次いでいるという。

 価格は1個356円で、うち300円を国連UNHCR協会に寄付する。今月末までの販売を予定。

 営業時間は9時~17時。火曜・日曜定休。

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