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小松に北陸初のホームホスピス 「みとり」の文化を広める場に

病気や障がいがあっても最期まで自分らしく暮らしたいという願いを支える「もう一つの家ややさん」

病気や障がいがあっても最期まで自分らしく暮らしたいという願いを支える「もう一つの家ややさん」

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 小松に9月23日、ホームホスピス「もう一つの家 ややさん」(小松市末広町)が開所した。

夫婦で入居できる11.5畳の部屋

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 高齢や病気、障がいなどにより自立した生活が難しい人たちが、人生の最後まで自宅のような場所で暮らせることを目指した「ホームホスピス」は、当事者だけではなく、その家族も支える施設。バリアフリーに改装した民家には、看護や介護をするスタッフが24時間常駐する。「ややさん」には小松の言葉で「お母さん」という意味があり、キッチンでは手作りの食事を提供する。運営するNPO法人「ホームホスピスこまつ」理事長の榊原千秋さんは「これまでは在宅介護が難しくなると病院や施設に入るしかなかったが、家庭的な雰囲気の中で自分らしく最期まで過ごしたいという願いに応えたかった」と話す。

 個室は4つあり、夫婦で入居できる広めの部屋も。定員は7人程度。「いつでも会いたい人に会える」ようにするため、それぞれの部屋には外への出入り口を設け、共用スペースを通らなくても面会できる。センサーで排せつ記録ができるトイレを備え、個人の尊厳を大切にしながら、健康状態を把握できるようにした。寝たきりになってもいつでも入浴ができるようにと、シャワートロリーを導入。設備がなく入浴に困っている地域の人たちも利用できる。

 現在3人の申し込みがあり、1人が入居。地域住民にも開かれた場所とし、世代を超えた交流も予定している。榊原さんは「一人一人の気持ちに寄り添いたい。普段の暮らしの中で、老いや死について自然に話せるような環境を作れるような『看取り(みとり)の文化』を地域の中で作っていけたら」と話す。

 利用料は1カ月18万円。その他、入居一時金として20万円が必要。

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