高校生に林業への理解を深めてもらい職業選択の一つに林業を加えてもらいたいと、県立加賀高等学校(加賀市動橋町)で11月3日、「林業出前講座」が行われた。
速さと正確さを競って30本の枝を切り払う「枝払い競技」の実演
同高は毎年6割近くが就職。自分に合った進路に進めるよう、キャリア教育の一環として授業でもさまざまな職業を紹介し、体験する機会を多く設けている。今回は県職員らを講師に迎え、1年生54人が林業について学んだ。座学では、木材の供給だけではなく、土砂災害や地球温暖化の防止、水や生物多様性の保全などにも林業が深く関わっていることを説明。さらに興味を持ってもらいたいと、高性能林業機械のシミュレーターやドローンなどの実演を通して、技術革新が著しい現代林業を紹介した。
併せて、2016(平成28)年から日本伐木チャンピオンシップに挑戦している県森林組合連合会の西嶋強さんがチェーンソー技術を披露。異なる傾斜の2本の丸太を垂直に輪切りにする「丸太合せ輪切り競技」、地面に接地している丸太を地面につかないように切り出す「接地丸太輪切り競技」、6メートルの丸太に差し込んだ30本の枝をぎりぎりで切り払う「枝払い競技」の実演を間近で見学した。生徒たちは丸太の切断面を触り「ツルツルですごい」と驚きながら、速さと正確さを要する熟練の技を体感した。
県森林管理課の縄大輔さんは「林業は山中での仕事となるため、実際に目にする機会がない。実際に見て、どのような仕事をしているのか体感してもらうことで、林業を職業の一つに加えてもらえたら」と期待する。
県では、学校を訪問して授業を行うほか、現地見学など要望に合わせてアレンジしたプログラムを提供。今後も高校生などに出前講座を行い、林業に携わる人を増やしていきたいという。