小松グリーンホテル(小松市小島町、TEL 0761-21-8911)が建物の改修を行い、宿泊客ではなくても利用できる「貸し切り風呂」の営業を始めた。
同ホテルは県外客の利用が中心のビジネスホテル。1985(昭和60)年に敷地内に温泉を掘り当て、緑色の湯が湧出したことから「グリーンホテル」の名前に変え、誰でも気軽に入ることのできる天然温泉の銭湯を併設した。昔ながらの番台スタイルで、地域の人たちの憩いの場となっている。
コロナ禍でブライダルの需要が減ったが、銭湯の利用は逆に増加し順調だったことから、思い切って宴会場があった2階のフロアを家族風呂に改装。3月9日に「十湯物語」として営業を始めた。10室それぞれに趣向を凝らし、滑り台を備えたジャングル風呂や白山を望める露天風呂、サウナ付きの風呂などのほか、九谷焼の陶板や器を飾るなど地元の文化も楽しめる空間にした。
さらに1階には、完全予約制で「やさしいお風呂」としていす型リフトを備えた完全バリアフリーの浴槽も設置。入浴用の車いすで、そのまま浴槽に体を沈めることができ、体を動かすことなく入浴できる。広報担当の高澤英史さんによると、障がい者の協会やリハビリテーションセンターと共に設計し、安全でありながらも快適に楽しむことができる温泉施設になるよう1年以上かけて準備してきたという。利用客からは「介助者も使いやすい。プライベートな空間でリラックスできるのもいい」と好評だという。
高澤さんは「障がいがあってなかなか温泉に行けなかった人たちにも安心して入浴できる設備を整えた。誰でも気軽に温泉を楽しんでもらえたら」と呼びかける。
入浴時間は9時~24時。利用料金は60分1,700円~。電話とネットで予約を受け付ける。