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小松のパン店、店を就労支援事業所へ転換 CFで協力呼びかけ

就労支援施設「愛ラボキッチン」を立ち上げる「あんずの木」のメンバー(中央は代表理事の斎藤和美さん)

就労支援施設「愛ラボキッチン」を立ち上げる「あんずの木」のメンバー(中央は代表理事の斎藤和美さん)

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 小松で手作りパンや菓子を販売する一般社団法人「あんずの木」(小松市今江町7)が現在、障がいのある人たちの就労支援施設を立ち上げるため、クラウドファンディングで支援を呼びかけている。

小松の手作りパン店「あんずの木」

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 代表理事の斎藤和美さんは実家の和菓子店で働きながら十数年パン教室に通い、2012(平成24)年にパン店を開業。地元小松の大麦を使ったパンの開発に取り組んできた。斎藤さんによると「大麦をペースト化して生地に練り込むことで、パンが柔らかくふんわりと焼き上がり、時間がたっても固くなりにくい」ため、店の主力商品として販売。他にも大麦を使ったシリアルやグラノーラ、ラスクなども開発。ペースト加工設備も整え、野菜や穀物などさまざまなペーストを使ったお菓子や料理、加工品を販売している。

 ペースト加工やパンや菓子作りの作業を手伝っているのが、市内の就労支援施設の利用者たち。斎藤さんは職業支援指導員として、重度障がいを持つ利用者に一つ一つ作業を教え、一緒に楽しみながら製造してきた。3月末で4年間の指導員契約は終了したものの、利用者から「ずっと働きたい」と熱望され、斎藤さん自身も継続的に関わることの必要性を感じていたことから、5月1日から、店を就労継続支援B型事業所「愛ラボキッチン」にすることを決めた。

 野菜ペーストの加工や商品化には、規格外の野菜などを使うことで「畑で生まれる食品ロス」の削減を目指しており、農業が盛んな小松で農業と福祉を結びつけた「農福連携」にも挑戦する。

 斎藤さんは「オープンな環境で接客などにも積極的に取り組むことで、社会人としての実感を持ち、人生を楽しむきっかけにしてほしい」と話し、障がいのある人たちが作業しやすくなるよう店や設備を整え、送迎車なども導入するための支援金を募る。目標金額は350万円。4月13日まで。

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