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小松の西照寺で「こども食堂」 開かれた寺を目指して

代表の日野史さん(左)がまとめる「こまつ子ども食堂」は、西照寺をはじめ市内9つの場所で開催

代表の日野史さん(左)がまとめる「こまつ子ども食堂」は、西照寺をはじめ市内9つの場所で開催

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 「こまつ子ども食堂」が9月26日、小松の「弓波山 西照寺」(小松市大川町)で弁当や食材などを配布した。

500年の歴史がある小松「西照寺」

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 代表の日野史さんは同寺の次女で、僧侶として姉と共に500年の歴史ある寺を守ってきた。寺の存在意義と未来の形を自身に問う中で、地域に開かれた場所にすることを決断。本堂でバンドのライブをするなど、門徒ではない人たちにも足を運んでもらえるよう寺の在り方を模索してきた。

 2019年からは子ども食堂を開き、白山市や野々市市の一部も含めた南加賀地域の拠点として、フードロスなどで大量に寄付される食材をとりまとめ、各子ども食堂への配布なども行う。小学校区内に1つを目標に掲げ、小松市内の拠点は9つに増えた。高校生以下は無料、大人は300円で利用できる。この日50食の弁当を準備していたが、整理券配布前から長い列ができ、25食を追加。パンやお菓子、米などの食品も一人一人に声を掛けながら手渡した。本堂では「なんでももってけ市」としたリサイクル市も併せて開いた。

 日野さんのこだわりは「オールウエルカム」。ひとり親家庭や世帯収入などの制限は一切設けず、老若男女誰でも来てもらいたいという。小松の土地柄、周りの目を気にする人も多く、誰でも気軽に集う場所として開放することで、切実な支援が必要な人に届けたいという思いがある。そのためにも、市内の開催情報をまとめて発信し、実施団体の負担を減らして継続しやすい環境を作るとともに、利用する側が情報を受け取りやすいように整備した。

 日野さんは「子ども食堂を通して、貧困、独居老人からフードロスまで社会の問題が見えてくる。活動を続け皆の意識を変えていくことで、必要な人に支援が行き届くような社会の体制が整えば」と意気込む。

 同寺での次回開催は11月28日。市内各所での実施日は同団体のSNSで告知する。

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