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山代温泉の「おんせん図書館みかん」でコラボマルシェ チャレンジを応援する場に

1箱本棚のオーナーなどが企画してイベントやワークショップが開かれている「おんせん図書館みかん」

1箱本棚のオーナーなどが企画してイベントやワークショップが開かれている「おんせん図書館みかん」

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 山代温泉の私設図書館「おんせん図書館みかん」(加賀市山代温泉温泉通)が11月28日、いれたてのコーヒーやピロシキ、シュトーレンなどを販売する「コラボマルシェ」を開いた。

壁面いっぱいに並んだ1箱本棚

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 同館は元々、2019年に東京から移住した小杉真澄さんがコワーキングスペースを備えたカフェとして開業。新型コロナの影響を受ける中、来客数にかかわらず安定して経営できる事業を模索する中で昨年9月、オーナー貸しの「一箱本棚」スタイルの私設図書館としてリニューアルした。「みんなが参画してゆっくり育てていく『未完成』の場所」という意味で、「みかん」と命名。インターン生として学生が運営に携わっており、中にはリモート授業の利点を生かして、住み込みながら手伝う秋田県の大学生もいるという。

 縦横34センチ、奥行き40センチの箱型のスペースを壁面いっぱいに並べ、1箱月額2,000円(子どもと若者は1,000円)で借り、自分の本を置くことができる。現在約70人のオーナーがおり、小学生から大人まで幅広い世代が登録。半数が市外からで、県外のオーナーも多いという。本以外に自分の作品を展示したり、手作りのクラフトを販売したりする人も。図書館の利用は300円で初期登録すれば、閲覧や貸し出しは無料。2階にはコワーキングスペースを残しており、別料金で利用できる。

 本棚オーナーは、図書館を貸し切ってイベントなどを行うことができるほか、館長業務を行うことでポップアップストアとして無料で出店できる特典があるため、「何か新しいことをしてみよう」というきっかけにもなっているという。

 この日はオーナーでもある「ココペリ珈琲(コーヒー)」の橋本奈央さんの呼び掛けで、共にイベント販売をメインとする「ピロシキおじさん」が揚げたてのピロシキやカツサンド、「かもめのパン」がシュトーレンを販売。小杉さんは「イベントで、それぞれの顧客が集まり、新しい交流が生まれている。新しいコミュニティースペースのあり方として、図書館に関わる人たちの『やりたいこと』を実現できる場所にしたい」と意気込む。

 12月10日は「10代に薦めたい本の読書会」、同19日は「クリスマスマーケット」など、インターン生が企画するイベントも開く。

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