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小松の塩焼きそば 元祖「清ちゃん」62年の歴史に幕

閉店を聞きつけ連日多くの人が列をつくった

閉店を聞きつけ連日多くの人が列をつくった

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 小松名物の「塩焼きそば」発祥の店である「清ちゃん」(小松市土居原町)が8月29日、62年の歴史に幕を閉じた。

小松のソウルフード「塩焼きそば」

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 小松中華組合によると、当時は県内に中華料理の店が無く、東京で修業した同店店主の高輪清さんが屋台でギョーザを提供し始めたのが、小松の中華料理のスタート。1959(昭和34)年に店を構え、以前から研究を重ねてきた塩やきそばの提供を開始。90歳を過ぎても厨房に立ってきたが、高輪さんは「体力の限界を感じ、閉店を決意した」と言う。

 「炒麺(チャーメン)」と名付けられた同店の塩焼きそばは、全て同じ太さにそろえられたモヤシやニンジンなどの野菜がふんだんに入り、シャキシャキとした歯応えが特徴。モチモチした太麺のゆで加減にもこだわり、オーダーを受けてから一皿ずつ丁寧に作ってきた。その飽きのこないおいしさから、同店で修業した弟子が独立して自分の店でもメニューに加えるなど、小松のソウルフードとして根付いたという。

 静かに最後の日を迎える予定だったが、閉店を惜しむ地元のファンで連日行列に。客らは名物の塩焼きそばをはじめ、屋台時代からの看板だったギョーザなどを味わった。

 組合青年部の広報担当で「尚軒(なおけん)」(糸町)の高橋茂樹さんは「元祖の店がなくなることはショックで組合としても非常に残念だが、小松の塩やきそばをこれからも各店で提供し続けることで、歴史とその心を受け継いでいきたい」と話す。

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