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小松・尾小屋でトロッコが復活 鉱車の手押し体験も

今回お披露目された「21号鉱車」にも無料で乗車できるほか手押し体験ができる

今回お披露目された「21号鉱車」にも無料で乗車できるほか手押し体験ができる

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 旧尾小屋鉄道の車両を動態保存する「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」が5月4日、小松市立ポッポ汽車展示館(小松市尾小屋町)で体験乗車イベントを行った。

昨年5月に旧坑道から引き出した際のさび付いたトロッコ車両

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 日本有数の銅鉱山があった尾小屋と新小松駅を結び、鉱石や物資の輸送手段だった同鉄道。閉山に伴う人口減少から1977(昭和52)年に廃線となった。残された車両を動く形で保存したいと、1982(昭和57)年に同会が発足。蒸気機関車、客車、気動車「キハ3」のほか、いしかわ子ども交流センター小松館(粟津町)に移送した「なかよし鉄道」の整備もボランティアで続けている。修理など活動費用は全て会費や寄付で賄い、毎月の活動日には全国から会員が集まる。

 坂井稔樹会長によると、「尾小屋マインロード」に展示されていたトロッコが、坑道内の湿気でさび付きボロボロになっていたことから、小松市の許可を得て昨年5月に坑道から引き出し修理を始めたという。半年以上にも及ぶ溶接や塗装作業を終え、「鉱車」が今月、一般公開をスタート。坂井会長は「腐食がひどく、穴だらけで大掛かりな溶接が必要だった。つぎはぎだらけのブラックジャックにちなんで、トランプゲームから『21号鉱車』と名付けた」と言う。体験乗車に加え、坑夫気分を味わってもらおうと手押し体験も始めた。イベント前日には駐車場スペースを活用して線路を延長し一周できるようにしているが、今回新たに、手押し用の線路も確保した。

 坂井会長は「自分たちが敷いた線路の上を、自分たちがレストアした車両が走るのを見るのは感慨深い。部品もなく年々修理が難しくなってきているが、乗ったり音を聞いたりという体験ができる『生きている車両』を、長く残せるよう活動を続けていきたい」と意欲を見せる。

 体験乗車会は5月~10月に実施しており、次回は6月26日。時間は10時~15時。

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