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聴覚障がい乗り越え小学生が初個展 音楽あふれる世界を描く

稚松小学校6年生の辻観誠君と両親の克憲さん、奈穂子さん

稚松小学校6年生の辻観誠君と両親の克憲さん、奈穂子さん

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 小松の宮本三郎美術館に併設するギャラリーカフェ「キャトルセゾン」(小松市小馬出町)で7月23日、稚松小学校6年生の辻観誠(つじかんせい)君(12)の個展「ぼくの世界へようこそ!」が始まった。

9歳のときに描いた「音楽室で見た楽器が僕の街をパレードする」

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 体重554グラムの超未熟児として生まれた観誠君は、聴覚に障がいがあったが、言語訓練の音遊びから体感や視覚を通して楽器の面白さを知ったという。演奏会に頻繁に足を運んだり、太鼓やギターなどさまざまな楽器に触れたりと、補聴器も活用し、小さい頃から家族で音楽に親しんできた。3歳のときに初めて描いた絵は大好きなギター。それ以来、マジックやカラーペン、クーピーなど身近な画材を使ってたくさんの絵を描いてきた。

 観誠君は9歳から毎年、「楽器」をテーマに大型作品を制作。楽器図鑑を見ながら細部まで丁寧に描き込み、2か月ほどかけ少しずつ仕上げたという。地元・小松が舞台の1作目は、さまざまな楽器を持ったたくさんの人たちがパレードし、音楽にあふれる楽しそうな街の様子が描かれている。今年発表した3作目は「宇宙」が舞台。観誠君は「僕の頭の中に広がる楽しい世界を表現した。一人一人の表情や楽器など工夫して心を込めて描いているので、細かいところまで見て楽しんでもらえたらうれしい」と話す。

 会場には、小さい頃の写真や自作の漫画、落書きなども展示しており、愛情いっぱいに見守ってきた家族の絆も見ることができる。

 父親の克憲さんは「たくさんの人の支えがあったからこそ、ここまで成長できた。この個展を通して、お世話になった一人一人に心からの感謝の気持ちを伝えたい。息子にはこれからも世の中にあふれる美しいものに触れ、楽しんで生きていってほしい」と願いを込める。

 営業時間は10時~17時。7月31日まで。

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