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加賀の丸八製茶場で前川わとさんの個展 空間生かした展示に

「実がなる」と題した前川わとさんの2年ぶりの個展

「実がなる」と題した前川わとさんの2年ぶりの個展

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 丸八製茶場(加賀市動橋町、TEL 0761-74-2425)の喫茶「実生」に併設するギャラリーで9月23日、富山在住の陶芸家、前川わとさんの個展が始まった。

喫茶ではいれたてのお茶のほか、加賀棒茶のロールケーキなども提供

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 東京都出身の前川さんは、愛知県の大学で陶芸を学んだ。10年ほど前、結婚を機に富山県南砺市に移り住み、本格的に作家活動をスタート。新しい技法にも挑戦し、色違いの土を層にして形作り、模様を削り出す手法で制作してきた。「実がなる」というタイトルには、自身がこれまで続けてきた創作活動を振り返り、積み重ねてきたことが結実してきたという思いが込められている。

 コロナ禍で展示できない状況が続き、2年ぶりとなった個展。前川さんは「注文を受けて制作することとは別に、自分の挑戦として表現し見てもらう『場』の大切さを改めて感じた」と言う。今回、庭の見えるオープンな空間を生かすにはどんな作品が良いかというアプローチからスタート。果実のように見立てたつるせる花器を制作し、植物を取り込んだ装飾を施した。ほかにも、細かく削り出されたふた物や、障子から漏れる光のように模様が浮かび上がるカップ、ブローチやピアスといったアクセサリーなど個性的な作品が並ぶ。前川さんは「空間装飾を含めて、この場を楽しんでもらえたら」と話す。

 同社では、地域の人たちの憩いの場になりたいと喫茶コーナーを大切にしてきた。人々の交流や、作家の発表の場となるギャラリーの運営にも力を入れ、展示する作家の作品は喫茶でも積極的に使っている。前川さんのカップも水出しの緑茶に使うなど、作品を通してお茶の楽しみ方も提案する。

 開館時間は10時~17時(喫茶は10時~12時、13時~16時30分)。水曜定休。10月11日まで。

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