川北産のイチジクが8月25日に初出荷され、JAグリーン能美(能美市粟生町)の直売所「能美の市」などで販売されている。
川北町では水田の転作作物の一つとして、30年ほど前からイチジクを栽培。営農推進課の西田誠也さんによると、手取川の扇状地にあり、土壌に砂利が混じっていることから水はけがよく栽培しやすい地域。この時期は白山から吹き下ろす風により一日の寒暖差が大きく、甘みが強く色付きのよいイチジクになるといい、現在10軒の農家が部会を作り栽培している。今年は出荷前の降雨量が多く品質が心配されたが、おいしいイチジクになったという。
同組合では、イチジクの果肉を使った甘辛の「いちじくソース」(370円)を開発・販売する。昨年からは白山市の就労支援施設に依頼して、果実だけを使ったピューレ(430円)に加工。収穫から2、3日しかもたないイチジクを、年間を通して流通させるための取り組みを行っている。このピューレを使ってビールやジャムなど2次加工する業者もあり、特産のイチジクが使いやすい状態で、無駄なく使えると好評を得ている。
西田さんは「需要が高い一方で高齢化が進んでおり、若手の生産者を増やしていきたい。生産量も増やし、さまざまな加工品にして川北のイチジクを多くの人に味わってもらえれば」と話す。
営業時間は9時~18時。イチジクは10月末まで販売予定。