JR小松駅西の商店街「北國とおり町」で8月21日、「夕やけてくてく縁日」が開催され、浴衣を着た多くの家族連れでにぎわった。
浴衣姿の子どもたちで賑わった「北國とおり町夕やけてくてく縁日」
北國とおり町にぎわい協議会会長で中出精肉店店主の中出暁史さんによると、同商店街は「江戸時代に北陸道と中山道を結んでいた旧北国街道沿いの龍助町と西町一帯で、古くは地場産業である絹織物や茣蓙(ござ)の問屋があった地域」だという。格子や銅板飾りなどが特徴の「こまつ町家」が立ち並び、今も商人の街の風情を残すエリアとなっている。
協議会ではにぎわいのあるまちづくりのため、祭りやイベントを通して外部に街の魅力を発信するほか、地域の結束力を高めるための交流会や勉強会なども開いている。しかし、新型コロナの影響で大きなイベントは自粛。住民の絆を深めてきたという獅子舞も中止となり、伝統を受け継ぐことの難しさを目の当たりにしたという。今回は店先に縁日コーナーを設け、ヨーヨー釣りや射的などに参加したり、唐揚げやかき氷などの食べ歩きを楽しんだりする中で、祭りの良さを思い出してもらうことを期待して実施した。
中出さんは「2年連続の祭り中止で、住民の横のつながりが薄れているという危機感がある。自粛ムードが続く中、子どもたちに夏の思い出にしてもらい祭りの楽しさを感じてもらえれば。そして地域の人たちに喜んでもらうことで結束力を高め、街の伝統を受け継いでいきたい」と意気込む。
同商店街では北陸新幹線延伸を盛り上げるため、他の商店街とも連携しながら旧北国街道沿いを活性化するイベントを企画していくという。