小松の織物会社「オリジナークロスジャカード」(小松市本江町)が12月2日、高密度に織り上げた大型のファブリックボードを小松市に寄贈した。
縦1.5メートル、横3.5メートルのボードには、木場潟から見える白山を雄大に捉えた写真をベースに、那谷寺や観音下の石切り場、お旅まつりや子ども歌舞伎の様子など、小松の名所や祭事がデザインされている。同社のジャカード織は、自社開発のソフトにより8色の糸を組み合わせて色調を自在にコントロールできることに加え、一般的な生地の6倍の糸を使い高密度に織り上げるのが特徴。荒木重晶社長は「写真や絵画などの繊細な表現も可能で、着物の裏地に使われた絹織物の『綸子(りんず)』が小松で盛んに生産されていた歴史があるからこそ、細い糸で高品質に織り上げることができる。小松の織物として世界に誇れる技術」だと言う。
ボードは市長室の壁に飾られ、宮橋勝栄小松市長から感謝状が贈られた。表敬訪問など来客時の写真撮影のバックパネルとし、繊維産業が盛んな小松をPRする。
荒木社長は「繊維会社は減っているが、伝統に裏打ちされた新しい技術に大きな注目が集まっている。水資源の豊かな小松の地場に感謝し、古くからの伝統的な製法を守るとともに、さまざまなことに挑戦しながら繊維産業を盛り上げていきたい」と意気込む。